イネイト取材記事 T

隔月刊 情報誌 フィリ

内なる自然の力を取り戻すための引き算の法則

むつう整体 木村 仁 先生 インタビュー

自然治癒力を邪魔しない生活環境が大切

「すべては内側にある」

Q.むつう整体とはどんなものですか?

 文字通り解釈すると痛みがなく体を正しく整えるという一つの療法です。漢字で「無痛」と書くと痛そうなので柔らかい感じがするひらがなにしています。

Q.どういう哲学だったのですか?

 今考えてみれば当たり前なのですが、「全ては内側にある」ということなのです。病気の原因も、病気そのものを治す力も内側にある。施術(トリートメント)はそのきっかけに過ぎません。99.999%は体が勝手にやってくれているのです。この考え方が実に気に入り、またこの哲学を裏打ちする技術もすごいと思いました。

 その診断具の一つにNCM(ニューカロメーター)神経熱量計というものがあります。この考え方も素晴らしいです。人間は上から下への神経網が出来ていて、それが、正しく機能していると血流も充分に流れていきます。血液は暖かいので温度が発生します。つまり熱を計る事によって神経の機能を計れます。NCMでは赤外線で背骨の両側の温度を計り、コンピューターで分析します。そして記録計にグラフとして出力します。

 人間の体は、外部環境に適応しようとして、グラフが真っ直ぐではなく左右に揺れ一定しません。これは悪い事ではなく、上手くバランスを取っている証拠です。以前の私はいつも症状にこだわっていましたが、今思えば馬鹿らしいことです。もちろん、症状は大切ですが、中心(原因)をしっかり見据えていると外側(症状)に振り回されることが無くなります。症状というのはいつも揺れ動いています。時間、生活の変化、体のリズム、外部環境の変化によって軽くなったり、消えたり、逆に増悪したり、つまり蜃気楼のようなものです。しかし、NCMで10回計っても揺れ動かない部分が問題です。つまり適応能力を失って固定化されている部分があなたの内なる力をせき止めているよと教えているわけです。症状を追わずに原因を終え。この考え方は出来そうで出来ません。つい、症状に目が行ってしまうのが人の癖なのでしょうか。

 外から結果(症状)に何か働きかけるのは、実は危険なのです。私がやっていた鍼治療も、結局は症状を追うものでした。薬を使わず、鍼も一人一本だけ、それも1ミリも刺さない、それでも害があることがわかりました。症状がとれて患者は喜んでくれますが、その人自身の健康度は上がっていなかったのです。

 ところがパーマーの考え方では、症状は問題ではありません。原因があるかないかをまず探ります。それは何かというと、その人の内側の力がちゃんと発揮されているかどうか。もしちゃんと発揮されていれば、傷でもなんでも治ります。結局そういった力が衰えているので、病気になるのです。

 例えば、「高血圧」も結果です。血圧降下剤を飲めば血圧は下がりますが、血圧が上がった本当の原因を知らずに、ただ血圧降下剤を飲むのは危険です。何か原因があって、体は血圧を高くしているわけですから。その奥の原因を取り除けば、結果的に血圧は下がります。また、膝に水がたまるととても痛くなります。水を抜けばたしかに楽になりますが、もともと炎症があるから水が集まるわけで、水が悪いわけではありません。かえって水は炎症を押さえるための味方なのです。

 このように、人間の身体の症状というのは、ほとんどは治癒作用で自然なものです。ですから、その奥にあるものを見なくてはいけません。それが、その人の「内側にある力」です。私は昔それを鍼で引き出したので治ったのだと思っていました。でも、それは鍼という行為が症状に対して影響しただけで、外から内側に働きかけた「動」に対しての「反動」に過ぎなかったのです。つまりその人の内側の力が爆発したわけではありません。ですから肉体の健康度は上がっていないし、むしろ症状を取ることによって、その人の命は細くなっていることがわかったのです。

「内なる自然の力 イネイト」

 その人の内側の力が働いていないと、弱いところに症状が出ますが、その原因はすべて首の一番上の骨なのです。

 例えば、将棋の駒をきれいに並べておいて、一つを倒すとバタバタと他の駒も倒れますね。ちょうどそれと同じ事です。建物は基礎が一番大事です。でも人間は動きますし、命令系統は上から下ですから、私たちは骨盤ではなくて頚椎の一番上が大事だと考えています。脳に近い根本の部分ですね。

 こうした事をベースにして、最初は私も実際に手で頚椎一番を矯正していました。横から歪みを取るのです。でもこれは感覚を要求されます。レントゲンもありませんしね。ですから危険でもあるし、人に教える時に、非常に難しいのです。ある時、鍼灸の学校などに全然行ったことのないサラリーマンに「私もこういった仕事が出来ないでしょうか」と聞かれました。私はそのとき、それは無理だと思いましたが、「待てよ、環境さえ整えればできるんじゃないか」と思い直したのです。前から良い方法はないかと考えていましたが、その人のおかげで真剣に考えようと思いました。

 私たちは、一人一人の内側にある力を「イネイト」と呼んでいます。「in nature」から派生した言葉ですが、この「内なる自然の力」がうまく出るには、外部から骨そのものに理想的な力を加えなくても、「内側の力」という漠然としたものに共鳴させる波動を使えばいいと考えたのです。

 それは、ホメオパシー(同種療法)という学問が基本になりました。創始者のサミュエル・ハーネマンは、べラドンナという毒草を飲むとショウコウ熱と同じような症状が出ることから、その病気を治す成分があるのではないかと考えたのです。似たものが似たものを治す。そのまま飲んだら病気なってしまいますが、成分が検出出来ないくらい薄くしてみると、まったく危険が無く、強烈な効果が上がることがわかりました。薄めれば薄めるほど良いのです。つまり、波動、気の世界ですね。

 この考えは、現在の私の治療法と基本的な部分が共通しています。対症療法のように、強い刺激はそのときには大きな影響を与え、痛みは消えたりしますが、あとで反動が起きます。ですから刺激は微細であればあるほど身体が素直に受け入れ、体内に浸透します。イネイトをホンの少しだけ刺激するための波動を送り、身体と共鳴を起こさせることによって、体全体を変える力となるのです。ホメオパシーと同じように、刺激は極限まで小さくします。そういった波動を出す機械を作れば誰でも治療出来るのではないかと思い、アディオというものを作りました。

「人間はこの世の最高のブラックボックス」

 アディオは「ADIObove(上から) own(下へ) nside(内から) utside(外へ)の略です。これはイネイトが上から下へ、内側から外側へと流れていく生命力の流れの法則を表わしています。このアディオという器具を回すと、波動が発生します。

 まず、手にシールドをつけ、脳にさまざまな電磁波がいかないようにします。電磁波は身体に鋭い影響を与えているので、その中で診断するとその人の生の状態がわかりません。ですから、シールドをつけ悪い電磁波が脳に入らないようにすると、全体がはっきりとわかります。そして、アースを先につけた導電布を足にかけ、静電気を抜きます。こうしてアディオを回し、波動を発生させると、脳幹と共鳴現象が起こり、その人のイネイトが活発に働き始めます。

 たとえていうと、テレビのリモコンのようなものです。テレビはブラウン管やチップなど入っている複雑な器械ですが、使用する側はその構造を何も知らなくてもリモコン一つで使うことができます。つまり、テレビはその中にすべてシステムが用意されているブラックボックスなのです。

 ちょうどアディオがこのリモコンにあたり、脳幹という中枢センターのセンサーがこの波動を受け取ります。そうすると健康回復というドラマが始まるのです。つまり、人間はこの世の最高のブラックボックスなのです。身体のほうに全部用意されていて、私たちはそのリモコンのスイッチを入れるだけであとは身体が99.999%やってくれます。

 現在は多くの学者が脳に関して研究していますが、一つの脳の機能がわかると、逆に百ぐらい謎が生まれます。知れば知るほど、実体がわからなくなるのです。自然が作ったものを分解していくと、あとは驚愕、感嘆が残るだけなんですね。だから、一個一個分析するよりも、体のそういったシステムを上手く使ったほうがいいのではないかと思います。「体にはそういうすごい力があると言うことを認めてしまうわけです。

引き算の医学

Q.ここはどんな方がこられますか?

 整形外科的な疾患の方が七割をしめています。そのうちほぼ半分が腰痛です。あとは頚肩腕症状群の方、 つまり首や肩や腕が痛い方も多いですね。また、内臓を患ってくる方も結構いらっしゃいます。

 揉むわけでもなく、注射も薬も与えませんが、結果が出るので多くの患者さんがいらっしゃるのでしょうね。うまく説明出来ませんが、実に不思議です。ただ寝ているだけで治るなんて、宗教じゃないかと言われそうですが、 体の内側にはそういう力があるのです。どんな外科手術でも、切って糸で縛っておけばくっつくからできるのです。どんなに新鮮な牛肉を買ってきても、死んでいれば切って糸で縛っていてもくっつきません。 だから最初にありきは生命力です。みんなが思っているよりも、もっともっとすごいということをわかってあげてください。

イネイトは、その人の体そのものを作り、成長させた力です。考える脳さえも作った力です。 言ってみれば内なる神です。神様は人間の力なんていりません。だから、邪魔しない方がいいし、自然治癒力を邪魔しない環境を作ってあげるだけで、体は働きます。

 この部屋には電磁波を出さない蛍光灯など諸々の工夫がありますが、すべてその人の内側の力を出せるように するためのものです。そして、服装も靴もゆるいほうがいい、指輪もやめたほうがいい、とどんどん自然の方に もっていくだけです。薬もあげない、刺激も与えない、体を締め付けない、・・・・0なのです。だから0の波動と私は言っています。

 こんな運動をやった方がいい、健康食品を食べた方がいいといった情報過多なことをやめていけば、どんどん健康になっていきます。つまり、「これをやった方がいいのではないか」という足し算ではなく、 「これも、あれもやめた方がいいのではないか」という引き算の医学です。皮肉なことに引き算の医学です。皮肉なことに引き算の方が良いのです。人間の力が侵略すれば侵略するほど、その偉大な力が出てこない結果になるのです。

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